『いわてのZINE Acil』いわてのジン アシル編集人日記

岩手を中心に食・農・手仕事・場づくりなどについて取材した【いわてのZINE Acil】を発行しています。他に本や映画の感想など。I report about making a meal, agriculture, handwork, a tradition technique, a place around Iwate and gather it up in a booklet.

映画【廻り神楽】感想:変わらないことの意味

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盛岡ルミエールで12月16日から上映が始まった
映画「廻り神楽」を見てきました。

クラウドファンディングを経て
今年8月に宮古市で初上映され、
その後沿岸などで上映されてきた作品です。
2018年は東京、鹿児島での上映も予定されています。

内容は、廻り神楽の巡行によりそいながら、
神楽を迎える人々や神楽衆の思いに触れた
ドキュメンタリーです。

たんたんとした描写の中に、
それぞれ(舞う側、観る側)の思いをのせた舞いが描かれ
あまり知識のない自分でもすんなり見ることができました。


●黒森神楽について
宮古市HP 黒森神楽の歴史より

廻り神楽こと黒森神楽は、
岩手県沿岸(宮古市)の黒森神社の権現様を携えて
正月~3月に久慈から釜石までを廻り、
庭先で悪魔払いや火伏せの祈祷を行います。
夜は一夜の宿を乞う神楽宿で夜神楽を上演します。
また、亡き人の魂には神楽念仏を捧げます。

黒森神社は古くから漁業・交易を守護する山として
信仰されてきた黒森山にあり、
黒森神楽の起源や巡行の始まりは不明ですが、
1678(延宝6)年には現在のような範囲を巡行していたことが、
盛岡藩及び地元の古文書で確認されているそうです。

黒森神楽の巡行の範囲は、
黒森神社のある宮古市山口から
久慈市まで北上する「北廻り」と
釜石市まで南下する「南廻り」を
隔年で訪れることになっています。
同じ神楽宿には、2年に1回の訪問となります。

近世初期からその範囲は変わらず、
このように広範囲で長期にわたる巡行を行う神楽は
全国的にも例がなく、貴重な習俗が現在も継続されていることから
2006(平成18)年3月に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

2011(平成23年)年の震災で、さまざまな影響がありましたが
これまで欠かさずに続けられてきました。


●感想

神楽衆は、ほとんどの方が漁業や水産関係が本業で、
休日などに集まって舞いなどの練習を行っています。

若者頭の男性は、「舞いや動きだけでなく、その意味や
神楽にまつわることを次の世代にどう伝承していくか(中継ぎ)を
これから考えることになると思う」
というようなことを仰ってました。

この作品を観て、神楽にも鎮魂、娯楽、守りなど
さまざまな意味合いがあることをあらためて知りました。
それだけ、地域の人々のありとあらゆる感情を受け止め
反映しているということなのでしょう。

獅子頭に頭や肩をかんでもらう「身固め」
新築など家屋の柱をかんでもらう「柱固め」など
舞う以外でも、さまざまな年代の人々の生活に
権現様が深く関わっていることも描かれています。


ある男性は「震災があったけど、神楽は変わらない」とも。

神楽を迎える人々のあいだでは
「神楽がきたら春はもうすぐ」といわれているそうです。
黒森神楽は自然の現象ではありませんが
すでに、人々のあいだで季節の節目になっているのですね。

時代を問わず、ルーティン化することの
意味についても考えさせられました。


観賞後に、ロビーで男性が「23日からは時間違うの?」と
ルミエールの方に聞いていて、何のことかと思っていたら(上映予定は当初22日まで)
盛岡の公開が延長されたのですね。
おめでとうございます!
お正月も観賞できますので、盛岡の方はぜひ。



映画 三陸の大津波を生き抜いた神楽の物語 【廻り神楽】
共同監督:大澤未来・遠藤協(兼プロデューサー)
出演:黒森神楽保存会
製作:ヴィジュアルフォークロア
2017年 日本 94分
映画【廻り神楽】 公式サイト






岩手の食、農、手仕事、場づくりについて取材したZINE・Acilをつくっています


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