『いわてのZINE Acil』いわてのジン アシル編集人日記

【心と体、環境の調和】をテーマに、食や農、手仕事、場づくりなどについて取材した雑誌「いわてのZINE Acil」を制作・発行しています。

三木清【人生論ノート】感想:今だからこそ多くの人にオススメしたい本

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こんにちは。

いま哲学者・三木清さんの「人生論ノート」を少しずつ読んでいます。
NHK総合「100分de名著」で紹介されていて、
興味をひかれたので読み始めました。
まだ読んでいる途中ですが、自分が理解するのを待っていると
いつになるのか分からないので、ご紹介します。


三木清さんは、1897年兵庫県の生まれの哲学者。
京大卒業後にドイツ・フランスに留学し、ハイデッガーらに師事。
帰国後、マルクス主義哲学、西田哲学を研究。
1930年に治安維持法違反で起訴されています。
1945年に共産党員だった友人を1日匿ったために再度反戦容疑で逮捕され、
終戦後も釈放されず、同年9月に獄中で亡くなりました。
三木清 Wikipedia


「人生論ノート」は太平洋戦争が始まる直前の1941年に刊行され
ベストセラーとなり、今日まで60年以上も読み継がれています。

内容は「死」「幸福」「怒り」「孤独」「嫉妬」「希望」など、
誰もが人生の中で思い当たるようなことが書かれています。

言葉の使い方や言い回しが少し回りくどくなっているのは、
三木さんが、たびたび発禁処分や不掲載を受けていたためだそうです(岸見一郎さんの談)。

そこまでして伝えたかったものは何なのか。

まだ途中までしか読んでいませんが、文面からは
戦前の言論弾圧の中でも
「真の幸福」をあきらめる必要はない、
あきらめないで欲しいという思いが伝わってきます。

「幸福」の章では
幸福とは、自分の人格そのものなのだと書かれています。

また「死」の章では
人間は虚無の中に浮かぶちっぽけな存在であり
虚無と切り離せない存在だからこそ
「形成力」が必要とされる、と書かれています。

フランスの哲学者・サルトルが提起した
「実存は本質に先立つ」とも少し似ている気がします。
これも、「100分de名著」の受け売りですが(笑)
たとえるなら

・道具は本質が実存に先立つ
(使いやすい構造・重さ・素材などが求められ、道具がつくられる)

・人間は実存が本質に先立つ
(何を目的とするのかは生まれてから本人が探す)

のようなことだったと思います。

そして三木さんは
人生には個人の形成力が必要としながらも
「自分は希望をなくすことができなかった」
と語っています。



いま組織犯罪対策法の面でいろいろとありますが
治安維持法にも明文化されているところだけを見ると
一般人が逮捕されるようなことは予想しづらいのですよね。
しかし、実際には三木さんはつかまっています。


岸見さんは「今だからこそ読んでほしい本」と仰っていますが
まさにその通りで、自分もまだ途中なのに記事にしてしまいました。

そして、三木さんが不遇にあいながらも
自分の人生を通して身につけた知性にそむくようなことをせず
むしろ後世の人に託して
その生涯を全うされたことを考えると
人間は死に方ではなくて
生き方なんだと改めて考えさせられます。


また、三木さんは個々の考えを尊重すべきであるとしつつ
その土台となる「価値観」は
「人間の尊厳」に基づくものでなければならないと書いています。
それぞれの考えは認めることは大切ですが、
どこまでも受け入れてしまうことは危険。

このあたりも実際の言動にしようとすると難しいですが
今世間で起きている問題の根底に通じるものがあると思います。


まだ私も全体を読んでいませんが |д゚)チラッ
ぜひとも多くの方に手にとって頂きたい1冊です。


↓こちらでも読めます。
三木清(青空文庫)


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