いわてから持続可能な暮らしを発信・半農半ライター・アシル編集人日記

【心と体、環境の調和】をテーマにした「いわてのZINE Acil」を制作・発行しています。記事内の店舗情報等は訪問当時のものです。イベント情報等についても、最新の公式情報のご確認をオススメします。リンク希望の方はコメント欄などでご連絡ください。写真、文章などの無断使用はご遠慮ください。

人柄 バレエダンサー岩田守弘さんについて ※長文注意

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前回の投稿で、やっとお会いすることができたある方と
お話していたときのこと。

Acil
「大量に流通しているわけでもない、ZINE(ジン)という
少し説明が必要な冊子の取材を受けてくださる皆さんがすごい」。

その方
「それは、Acilさんの人柄もあるんじゃないですか?
読むと分かりますよ」。




……。




私はお恥ずかしい話、自分の「人柄」「人間性」というものに
まったく自信がありません。
なので、このようにストレートに褒めて頂くのは
大変ありがたいのですが、非常に困るのです。


私の自分の人柄のイメージ→「ろくなもんじゃねぇ」


ですからね。
汚い言葉で申し訳ございません。

じゃあ自分はどんな方が「人柄」がよいと
感じるかというと

そうですね、最近はバレエダンサーの岩田守弘さんという方に非常に感銘を受けました。
※バレエに興味がない方はすみません、長くなるので今のうちに避難してくださいね。


神奈川県出身で、両親・お姉さまともにバレエダンサー、教師の
バレエ一家に育った守弘さん。
10代でモスクワの名門ボリショイ・バレエ学校に留学し
ツアーカンパニー(専用の劇場を持たない)の国立ロシア・バレエ団を経て
ボリショイ・バレエ団に入団し、日本人初の
ファースト・ソリスト(主役を踊ることもある役付き)として活躍されました。

守弘さんが入団された当時は外国人を採用するシステムがなかったとか。
入団後も唯一人の外国人だったそうです。

2012年にボリショイを退団し
現在はブリヤート共和国の首都、ウラン・ウデ(バイカル湖が近い)の
国立ブリヤート・オペラ・バレエ劇場で
バレエ部門の芸術監督をしておられます。
ロシアと日本のバレエを通じた文化交流にも尽力しています。

本日12月12日には、日ソ共同宣言の発効60年を記念した公演が
同劇場であり、岩田さんは所属する日本人ダンサーとともに
自作の「阿修羅」を踊られるそうです。


バレエは観る方専門で好きなのですが
残念ながら、彼の生の舞台を拝見したことはありません。
その昔、日本のテレビ番組で留学生時代の守弘さんが
取材されたことがあり、その時の「感じ」は覚えています。

稽古場で汗を流す合間にインタビューされた守弘さんは
さわやかな笑顔で


「情けないですよね、モノがなくて…。タイツも満足に買えなくて、アハハ」。


ボリショイに留学する日本人=バレエ界の超エリート
というイメージしかなかった私はちょっと驚きました。

今でこそ海外で活躍する日本人バレエダンサーは増えてきましたが
その当時、1990年?頃は珍しい方だったと思います。
そう、ロシアもといソビエトは動乱期だったのですね。
才能あるバレエダンサーといえども、
すべてに恵まれた環境とはいかなかったのでしょう。


そんな中、ボリショイが存続してきたのはロシアの至宝とはいえ
さすがだなと思いますが
日本人男性としても小柄(身長は166cm)な岩田さんがその中に入って
唯一の外国人として、自分なりのポジションを築きあげてきたのは
本当に大変なことがたくさんあったんだろうなと想像するわけでございます。

ロシアに限らず海外のバレエ団では、女性の身長も平均して高いですし(170cmくらい?)
さらに女性はトウシューズ(底の硬い、つま先立ちできる特殊な靴)をはくと
プラス20cmほど高くなります。

ですので、役柄的には王子様というよりも
テクニックを必要とするポイント的な役柄を多く踊られてきたように思います。
小柄ですが確かな技術があり、しなやかでラインが磨かれているので
どこにいても目を引きます。


そして何で私が長々とこの記事を書いているかというと
最近になって守弘さんのブログを通じて、その人柄に触れたからなのです。

岩田守弘オフィシャルブログ


守弘さんは
とてもお忙しいと思うのですが、2008年の現役時代から
毎月コンスタントにブログを更新していらっしゃるのです。

内容は踊りのことや、ツアーで行った先のこと
ロシアならではのこと、趣味の居合・合気道についてなど。

ロシアでペルミ出身の方と結婚され、娘さんも2人いて4人家族+猫1匹。
ご家族の話題も多いです。


印象的だったのは、あんなに柔らかく、美しく
堂々とした迫力のある踊りをされていて
観客に感動を与えているのに
ご本人は「今日の舞台はいまいち」などと思うことがあるらしく
「次はこうしてみよう」などと試行錯誤していることなども書かれています。

たまに、「やる気が出ない」なんていうタイトルも(笑)。


しかし各国のツアー先では、首都のほか地方に行くことも多く
飛行機がとばなかったり、衣装が届かなかったり
とても狭い舞台や床が木でぼこぼこの舞台に出合ったりしますが
ご本人はそんな状況が大好きのようで
「どうしてやろうか」と燃えてくるようです。
結局はいつも、どんな舞台でも全力投球しちゃうんですね。
プロだから当たり前、といえばそれまでですが。


また、ロシアは役所や警察の方の対応があまりよくないようで
夏のシーズンオフの時期に日本へ帰ってくると
「日本、最高~!!」と満喫されています。

そしてお茶目というか、おっちょこちょいというか
たまに、レッスンの日にちや時間を勘違いしたりと
面白い失敗をされています(失礼)。


そんな日常のこともありつつ、
たまにバレエ界全体のことや、ロシアのバレエ、日本のバレエ、
文化・芸術、後輩の育成、振付についてなど
守弘さんの人生のテーマともいうべき記事が綴られていきます。


よく「舞台の上では、その人のすべてが出る」
言われていますが(バレエの世界だけ?)
岩田さんは、本当に裏表がない方なのでしょう。

年齢を重ねるにつれて薄毛になってきたのが気になっていたようで
たまに、カツラを着用する演目があるとブログの記事に

カツラをかぶって…(これは役柄のカツラです。僕の髪が薄いからじゃありません)

などと自らネタにしていました。


それだけだったら、ブログにたどりついたファンが
「お茶目♡」と微笑んで終わりだったのですが
守弘さんはなんと、素材を生かして(?)アデランスのCMに出演されます。


より広く世界に発信!




カツラを装着して、こんなに晴れ晴れ、のびのびしている人初めて見ましたよ!
(厳密にはこの商品はカツラとは異なるらしいです)


守弘さんは1970年生まれですが
このカツラを付けるとご家族から「20代くらいに見える!」と言われ、大好評だそうです。
バレエダンサーがカツラのCMに出演したのは
彼が初めてではないでしょうか?


私からみると「うわ~、すごいな~、勇気ある」
と思ってしまうのですが
たぶん、ご本人は前からネタにするくらいだから
「これ思い切り跳んでも回ってもずれないし、いいなー。アデランスさんの技術に乾杯!」
な感じではないでしょうか(想像)。

バレエダンサー以外でアデランスのCMとしては他に的確な方といえば、
もうブレイクダンスで頭を軸にして回る技しか思いつきません
(若くして薄毛だけどブレイクダンスが上手い、
もしくは薄毛になる年齢までブレイクダンスを続ける人がどれだけいるかは未確認)。
↑これは実現したら面白いですが、まずありえない自殺行為。



気を取り直して…
守弘さんの踊りには、その裏表のないところや
素直で気取らない人柄が表れている気がします。

ボリショイに入団して、なかなか役がつかなかった頃
芸術監督に直談判したところ、
「バレエ学校の生徒が踊るような役ならある」と言われたそうです。
それだけでも厳しいのですが、さらにその役が「猿」
いろいろと葛藤があったと思いますが
最終的に守弘さんは「猿をやるならやるで、リアルな印象に残る猿にしよう」と
徹底的に稽古をします。
そしてその猿の役が観客から大喝采を浴び
徐々に他の役柄も踊るようになっていったそうです。

逆境に負けずに、それをチャンスに変えた守弘さん。
しかも謙虚で、いつも堂々としている。
だから踊りも見ていて気持ちがいい。
その根底には
「自分には隠すようなことは何もない(カツラ的な部分を含め)
いつも真剣に生きている」
という確信が、あるのではないかなと思いました。

とても長くなってしまったので次回へ続きます。
Acilのブログとしてはイレギュラーな内容ですが、もう少しおつき合いください。


↓CMのメイキングなどを見ることができます。
岩田守弘 攻める男のアデランススペシャルサイト

岩手の食、農、手仕事、場づくりについて取材したZINE・Acilをつくっています



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